ぼくは、新卒で入社した会社が【ブラック企業】で日々、体力も精神も消耗されていたのですが、会社から逃げたい一心で介護職を選び転職しました。
その中でも、ぼくが選んだのは【デイサービス】、役職は【生活相談員】です!
介護職員というと、みんながみんな、
・オムツ変えたり
・食事介助したり
・お風呂入れたり
そんなイメージがありませんか?
ぼくは、介護職についてよく調べるまではそんなイメージでした。
ですが、介護職といっても役職によって行う業務がずいぶん違うんです。
そして、介護職の中でも事務職よりなのが、ぼくがやっている生活相談員!
もし、就職・転職で困っていて「介護職はちょっと・・・」と思っている方がいれば、介護職の中でも事務職寄りな生活相談員がおすすめです!
この記事では、実際に生活相談員として働いている、ぼくの仕事内容を紹介しているので転職の一つの選択肢のための一助になればと思います。
介護職、生活相談員のお仕事とは?
デイサービスには、必ず1人は生活相談員が常駐していなくてはなりません。生活相談員は、ご利用者に寄り添って状態変化や要望などを聞き、計画書などの書類作成をするのが仕事だからです。
【書類作成】や【相談員】と聞くと、小難しそうに聞こえますが生活相談員の仕事内容は、それほど難しいものではありません。
デイサービスの生活相談員であれば、
・送迎
・見守り、介助
・相談窓口
・書類作成
・請求、実績
・その他、連絡等の雑務
と大雑把にいうとこれぐらいですが、わりとオールマイティに動く必要があるため大変と言えば大変です・・・が、ひとつひとつは【すごい特殊性があって難しい】という仕事ではありません。
送迎は、デイサービスであれば半日であれ1日であれ『ご自宅から施設まで施設からご自宅まで』と車で送迎する必要があります。
送迎をしないと行けないかは、施設によって違うでしょうがそれほど余裕のある施設はあまりないため生活相談員が送迎をすることは多いでしょう。 なので、もしデイサービスなどの介護施設で生活相談員として働きたい方は運転ができないと難しいです。
車のサイズは、7〜8人乗りのファミリーカーサイズか車椅子などを乗せることができるバンサイズが多く、最低でもファミリーカーサイズの運転経験がある方が面接では通りやすいです。
見守りは、ご利用者が来てくれている際に転倒などの事故防止や体調不良に気を配る必要があるためです。何か、事故などがあればすぐに対処しなくてはならないのが常時施設にいる生活相談員になります。
また、事故などが起きないよう未然に予防するためにも見守りスキルは最重要です。
他にも、体調や物理的な事故だけでなく、心のケアもする必要があったりします。人が多く集まっている場所のため『あの人は嫌い』とか『変なことを言われた』と、ご利用者同士で揉めることも少なくありません。
そういった際に、仲介役になったり、なるべく問題が起こらないよう会話を誘導したりすることも生活相談員の重要な役割になります。
見守りスキルは、一長一短で身につくものではありませんが少しずつ現場で経験しながら覚えていけばいいので心配しすぎる必要はありません。
それに、仕事は1人でやっているわけではないので他の介護職員と連携をとりながら身につけていけば大丈夫です。
相談窓口とは、書類作成とつながるものでもあるのですが、ご利用者(もしくはご家族)は何かしらの『目的』があって通所してきています。
・家で1人では心配だから、誰か一緒にいる時間を増やして欲しい
・リハビリ、体力低下予防のため外に出たい
・人と話せる、楽しめる場所が欲しい
・家族の介護負担軽減のため
など、いろいろな『目的』や『目標』があります。
こういった目標や目的の実現のために窓口となるのが生活相談員なのです!
そういった『目的・目標』を解決するため、国や地方の補助を受けながら介護施設は成り立っており、そのため【ちゃんと仕事をしていますよ〜】と証明する目的で1人1人の『計画書』を作成しておかなければなりません。
計画書はいわば、ご利用者やご家族の目的・目標を達成するために自分がいる介護施設がどんなことをサポートしていけるかを言語化したものです。
これが、ブレていてしまったり本来の目的にそぐわないものであったりすると『返戻』という地獄が待っています・・・
『返戻』とは、介護施設が介護保険で決められたサービスを適切に提供していないと判断されてしまった際にサービス料金を返還しなくては行けないことです。 この『返戻』をくらうような事態になると、細かな部分まで粗を探されてしまうため連鎖的に返還をしなくては行けなくなり施設の経営事態危うくなってしまうことさえあるので大変注意が必要です!
さらに、計画書に付随してモニタリングやアセスメントの書類も作成する必要があります。
【アセスメント】は、計画書を作る際に必要なご利用者の身体的な状態や生活環境を確認したものです。ご利用者の普段の生活環境・身体状況を確認した上で計画書を作成し実態に即した計画書を作るのがポイントにもなります。
【モニタリング】は、実際にその計画書通りにサービス提供を行い生活状況や身体状況に向上が見られているのか確認する作業です。実際サービス提供していて計画通り目標が達成できていれば、よりQO Lが上がるような計画を立てる必要性も出てきますし、計画書通りに目標が達成できておらず、生活環境・身体状況が低下してしまっているならば新たに計画を練り直さなければなりません。
計画書が実際に有用なのかを確認するのがモニタリングになります。
請求作業とは、介護施設や介護保険を利用したサービスの場合、『ご利用者負担の料金』と『国・地方に請求する料金』があります。
『ご利用者負担の料金』に関しては、現金払いや振込・引き落としなどの方法で請求をするので他の業種と大きな違いはありません。 ただし、介護関連の職種は7〜9割は国と地方からの税金によって成り立っています。そのため『国・地方に請求する料金』があり、請求が少し特殊です。
基本的には、【専用の請求ソフト】があり、そこにご利用者の『実績(どの日にどんなサービスを利用したか)』を入力すれば請求は難しくなくすることができるので安心してください。
この請求を介護施設がするのと同時に、CM(ケアマネージャー)も同じように請求することで2重確認します。
そのため、CM(ケアマネージャー)にも実績を送付する必要があり、生活相談員か施設長から報告をし請求作業が完了です。
主な業務は、上記のような仕事ですがその他家族やCMに何かあった時に連絡をしたり、洗い物・掃除など施設独特の仕事もあります。
よく『生活相談員は何でも屋』などと呼ばれるくらい施設内で幅広い仕事をする必要があり大変ですが、ご利用者のために計画(プラン)を立てられるのが相談員の大きな魅力です!
困っている方を少しでも手助けができるようプランを立て、短い一緒の時間を寄り添いながら過ごしていく、それが生活相談員の仕事になります。
生活相談員の【社会的意義や役割】
生活相談員の社会的意義・・・というと大仰ですが、【社会に無くて困る職業か?】といわれれば・・・そうでもない
ただ、いることによって高齢者のQOL(クオリティーオブライフ)の向上に多少なりとも貢献していると思っています。
高齢になると、話し相手も少なくなり自分の本当の気持ちを押し込めて生活されている方が非常に多いです。
人には言わないけど 「旅行に行きたい、山登りしたい、孫の世話をしてあげたい・・・」 こんな気持ちを持っているのに、
・自分の体力では無理だ・・・
・外に出て怪我でもしたら
・家族に迷惑をかけるぐらいなら・・・
と、諦めてしまっている方が世の中にはいっぱいいます
さらにもっと身じかなことでも、
・自分で買い物に行きたい
・自分でお風呂に入れるようになりたい
・好きなときに散歩にいきたい
など欲求はあるのに、「体力が低下してきてむずかしい」と外に出ることも減り、家にこもりきりになって最終的に歩行もおぼつかなくなり、急いで家族が施設を探すなんてことも多々あります。
そんなとき、『もっと介護保険をデイサービスを生活相談員を活用してくれればよかったのに・・・』と、常々思います。
生活相談員がいなかったとしても、施設へ入所したりその時々の対処によってなんとでもなります。 ただ、本人の生き方をよりよい形にしていきたいのなら生活相談員を活用してもらった方が、よりよいサービスを受けることができます。
もちろん、CMもいますがCMはより広い面をサポートしてくれています。施設を提案したり、用具導入を提案したり、ヘルパーを紹介したりなどなど・・・
そういった提案や要望に対して、専門的にサポートするためにそれぞれの職種があります。
生活相談員もその選択肢の一つであり、デイサービスであればその人が家でできないことなどをヒアリングしながら、デイサービスでできる、もしくは在宅生活に活かせるサービスを組み立ていく仕事です。
生活相談員がいなくても、高齢者の方は生活できます。 ただ生活相談員がいれば、1人ではできないようなこともチャレンジしながらよりよい生活をおくることができるかもしれません。
もちろん、何でもかんでもできるわけではありませんが少しでも楽しく生活をおくれる手助けにはなっていると思っています。
介護職(生活相談員)の給与は最低賃金??
生活相談員の意義はいいものだと思いますが、生活ができなくてはしょうがありません・・・
生活相談員の実際の給与ですが、施設によって違いはもちろんありますが全国平均で年収 310〜380万円くらいになっているようです。
ぼく自身はというと、 年収 約350万!!
少ないですよね・・・ 介護職の年収なんてこんなものです。 ただ、介護の仕事だって悪いことばかりではありません。
日本は少子高齢化でどんどん高齢者の人口が増えていっています。 需要自体は、無くならないというのが大きなメリットです!
ブームで一時的に売り上げが増えたりはしませんが、逆にブームが去ったから続々と閉店するなんてこともありません。
また、売上の7〜9割を『国からの補助を使ってご利用者が払うため』しっかりした施設を選ぶことができれば安定感は高いでしょう。
昇給などはあるのか? 気になるところだとは思いますが、昇給自体はあります(もちろん、施設によりますが・・・)。
ぼくの実体験だと、1年でだいたい月給+3000円といったところです。
・・・これでも上がらないよりはマシですし、昇給がない場所だってあります。
では、どんな施設を選べばいいのかというのは気になるところではないですか?
それは、
・売上が建てられている介護施設
・大手の介護施設
です。
売上が高い施設であれば、当然ことながらより給与を高く支給する余裕があります。売上が高いのは高いなりに『理由』があります。
つまり、施設のレベルが高いということです。もちろん、レベルが高ければ仕事量は多く大変でしょうがある程度の給与は見込めるでしょう。
ただ、「売上なんていきなり聞けないでしょ」と思われるでしょう?
確かに「売上はいまいくらか」なんて面接ではなかなか聞きにくいと思います・・・
売上がいい施設であれば意気揚々と教えてくれるかもしれませんが、売上を上げるのに苦戦している施設では少し渋い顔をされてしまうかもしれません・・・
聞くことになんの抵抗もないよって方は、聞いてみるのが一番早いかもしれませんが、面接相手にもあまりいい印象にはならない可能性もあります。
そんな時には、【通所している人数】を聞いてみましょう! 通所している人数を聞くのは、実際働く際にどんな動きをするのかなどに繋がりますし面接者からすれば「うちの施設を気にしている」と思ってくれるので通所人数を聞くのは自然的です。
そして、通所人数がわかれば売上もある程度想像がついてきます。最低限、最大通所枠の7割を超えて入れば黒字にはなっているはずです。 8〜9割、常に埋まっている状態であればかなり優秀な施設なので転職先候補に入れておいて損はありません。
そして、大手の会社であれば他事業部もあるため全体で見れば安定的ですし、福利厚生もしっかりしているのでオススメです。
また、大手の会社であれば従業員や事務の方も多くいるため生活相談員が行っている請求業務などの負担も減るでしょう。
生活相談員になるには資格が必要?
生活相談員になるには、
・「社会福祉士」
・「社会福祉主事任用資格」
・「精神保健福祉士」
のいずれかの資格が必要です。
ぼくの場合は、どの資格も持たず入社したため「社会福祉主事任用資格資格」を入社してから取ることになりました。
社会人が生活相談員を目指して、社会福祉主事資格を取得する場合【通信教育】で取得することになるでしょう。 資格自体の難易度は、それほど難しくはありませんが少し時間がかかるのと手間がかかります・・・
【通信教育】は、問題と論文が定期的に送られてきて1年を通じて課題を提出していくのとスクーリング(特定の場所に数日間いき研修を受け最終テストを受ける)を受けて最終テストを受ける形式になっています。
ただ、問題に関しても心配はいらず教科書も併せて送られてきており、そちらを熟読していきながら解いていけば合格点は取れるようになっています。
ちなみに、ぼくのいる会社で落ちた人間もいました・・・
ですが、その落ちた理由が
・まず、課題を出していない!
・課題を教科書を見ず家族にやらせる!
・スクーリングの日にちを忘れて出席しない!
・・・とりあえず、しっかりやっていれば大概の人は受かっています。
時間と手間はかかりますが、取りやすい資格ではあるので「生活相談員を目指してみようかな?」と思う方は、心配せず受けてみてください。
また、ぼく自身もそうでしたが入社する前から必ず【相当資格】を持っている必要はありません。もちろん、入社希望する会社によると思いますが入社後に資格を取らせてくれる会社も多くありますので
「資格を持ってないから無理だ・・・」
と、諦めずにデイサービスの生活相談員に興味がわいたら、面接だけでも受けてみてはいかがでしょうか?
介護職はやっぱりキツイ?【4年勤めてきた職員の実情】
介護職といえば、「キツイ・汚い・危険」を含む3Kと言われることがしばしばあります。 では、生活相談員はどうなのか?
ぼくが、4年間続けている限りイメージとはだいぶ違い入る前に想像していたキツさはありませんでした。
キツイという点では、ぼくがいるデイサービスは半日のため食事も入浴もありません。
その時点で、食事で汚れることや誤嚥などの危険性もなく、入浴の介助もないため体力的にもキツイ部分は少なかったです。 半日なので、食事や入浴は自分でできるという方が多く介助も少ないため腰を痛めたりもいまのところありません。
また、わりと元気な方が来てくれているのでオムツ交換作業などもほぼなく(1人か2人くらいはリハビリパンツの交換が必要な方もいます)汚いという部分も想像していたよりは少なかったです。
危険という点でも、比較的に元気な方が多く頭がクリアーな方が多いので噛みつかれることや殴られることもなく危険を感じたことはいままでありません。
生活相談員の主な業務は、書類作成が主業務になるので俗にいう介護職よりも一般的なイメージのキツさは感覚的に少ないです。
ただ、ぼくはわりと書類を後回しにしてご利用者との会話等を多めにとっていたので書類業務が進まないというキツさはありますww。
そういった書類業務の多さなどを考慮しても、入るまでイメージしていたほど苦ではなくわりと楽しく生きております。
※まとめ
・生活相談員の仕事は雑務全般・・・でも誰かの幸せのためになる!
・生活相談員がいる意義は、高齢の方がより人生を楽しむため・家族の負担を減らすため!
・生活相談員の給与は低いが、安定感はかなり高い!
・生活相談員になるには、資格は必須だが持っていなくても採用される!
・生活相談員は介護職の世間一般イメージよりはキツくない!
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